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アンチ・ドーピング委員会

【COLUMN_Vol.9】女性のコンディショニング

2018年8月29日

Anti-D-Column

 

女性のみなさん、体調はいかがですか? 日々の生活やライフセービング活動は、からだに支障なく行えていますか?

男性のみなさん、女性特有の体調不良があることを知っていますか?

先日JLAでは「女性アスリートセミナー」を開催し、多くの選手や指導者の方々にご参加いただきました。今回のコラムでは当日のセミナーの中から、女性の人生に密接に関係する、でもなかなか相談しづらい「月経」に焦点を当てていきます。

 

・月経によって起こる問題点とは

女性ホルモンの乱れは、月経に伴う疾患を起こします。

「月経困難症」は頭痛、吐き気、下痢、だるさなどが月経期間中に出現します。その中でも特に多いのが月経痛で、トップアスリートでも4人に1人が薬を必要とするほどの重い症状を抱えているという研究データがあります。

また「月経前症候群(以下PMS)」は、無気力状態、不安、イライラが月経3日前~10日継続します。PMSのうち生活に支障をきたすほどの重い症状は「月経前不快気分障害(PMDD)」と呼ばれます。

月経は一般的に12~13歳頃から始まり、その後約40年続きます。つまりこういった問題は、女性にとって長年に渡ってほぼ毎月起こるイベントとなります。

 

・治療薬はあるの?

月経困難症やPMSは薬物治療で改善することが出来ます。

例えば月経痛の軽減には鎮痛薬、経血量が多い場合や月経周期の調節には低用量ピル(=経口避妊薬)があります。しかしながらピルに対してネガティブなイメージを持っている人が多いようです。

通常、月経困難症やPMSで使用されるピルはドーピング禁止物質ではありません。使用することで症状の軽減や、大事な競技会や合宿と月経期間をずらすことが出来ます。

薬である以上は副作用の可能性はあります。吐気、頭痛、不正出血などがありますが、起こったとしても通常は飲み始めて2~3ヶ月以内でおさまります。

 

・女性のコンディショニングとアンチ・ドーピング

女性特有の疾患が、夏のパトロール活動や日々の練習の妨げになることもあります。

しかしドーピング禁止物質に該当しない薬はたくさんあります。必要に応じて婦人科受診し、症状に合わせて薬物治療を行うことで、本来のパフォーマンスを取り戻すことが出来ます。

まずはご自身のことをもっとよく知るために、女性の皆さんは自分のカラダの訴えに耳を傾けてあげてください。疑問や不安なことがありましたら、是非アンチ・ドーピング委員会までご相談ください。

JLAアンチ・ドーピング委員会 委員/小西 由紀

参考書籍:能瀬ら.Health Management for Female Athletes.東京大学医学部附属病院 女性診療科・産科,2018年,P18

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